隣の上の植木が我が家まで越境してきたらどうする?

近隣トラブルにはさまざまなケースがあるのですが、その中でよく耳にするのが植物の越境問題です。
具体的にいうと、枝が敷地に入り込んできている、落ち葉が庭に侵入してきて散らかってしまう、などの被害を受けたり、与えたりしてしまうという問題です。
難しい問題ですが、たとえ自分の敷居に入り込んできた枝でも、勝手に切ったりすることは法律的にNGなので気を付けましょう。
では、植木が侵入してきたり、させてしまった場合にどう対処すればいいのか?
それをこの記事で、詳しく解説していきたいと思います。
ご自宅の庭で植物を育てている方は、参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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隣家の植木が伸びてきてうちに入り込んできそう
お庭を色とりどりの木々や花で飾るのは、とても素敵なものですが、その分お手入れが大変です。
枯葉の掃除や枝の剪定など、結構な手間がかかります。
自宅の分はしっかりと管理できていたとしても、お隣の植木はどうしようもできません。
お隣の庭木が迷惑でもお隣に言えずに困っている方も少なくないと思います。
植物は、四季を通じてさまざまな顔を見せてくれ、喜びや楽しみを運んでくれます。
ですが、時として迷惑の原因になってしまうので、注意が必要です。
お隣の植木が伸びて自宅の敷地まで入り込んできたとしても、勝手に切ってしまうのは不法行為になります。
そのため、お隣に状況を伝えて切ってもらうか、許可を得て切らせてもらうようにしなければいけません。
樹木が敷地に入り込んできたら?
まずお隣に頼んで切ってもらうことが一番です。
ご近所トラブルに発展したくないと考える方もいると思いますが、伝えれば快諾してくれる方が多いと思います。
お隣が高齢の方なら、体の自由が利かないことから切ってくれて構わないと言われることもあるのですが、この場合、想定外のところを切られた、強要された、など後々のトラブルに発展することもあるので、しっかりと同意書をもらっておくことをおすすめします。
なお、お隣の植木の枝を勝手に切ることは不法行為にあたりますが、根は切ってもいいと民法でも定められていますので覚えておきましょう。
剪定や伐採に応じてくれない場合
稀にお隣に申し出ても、何かと理由とつけて対応してくれないケースがあります。
話し合いで解決できれば、一番なのですが、どうしても受け入れてもらえない場合は裁判という手段があります。
ただ、お隣とはその後も関係が続くため、強硬な手段をとるのは避けたいところです。
そのため、普段からコミュニケーションをとって仲良くすることを心掛けておきましょう。
木を切っても問題がないケースもある
お隣の木を切っても問題がないケースがあります。
たとえば、樹木の倒壊で玄関などの出入り口が使えなくなるおそれがある、倒木により屋根や外壁などにダメージを与えるおそれがある、アプローチなどの通り道が塞がれる恐れがある場合などは、安全確保のためやむなしということで、剪定、伐採が許可されることもあります。
これらも民法で定められていることなので、覚えておきましょう。
土地の所有者がわからなくても調べられる
侵入してきそうな樹木がある土地の所有者がわからない場合、市役所や法務局で調べることができます。
また、法務省提供のインターネットの登記・供託オンライン申請システム「登記ねっと・供託ねっと」で調査することもできるので、おすすめです。
民間でもそういったネットサービスを提供しているところがあるので、調べてみるのもひとつの方法です。
土地所有者と連絡が取れないのなら家庭裁判所へ
土地所有者と連絡が取れない場合、行方不明の可能性がある場合、家庭裁判所で不在者の財産管理人の選任の申し立てをおこない、財産管理人に切除を請求することが可能です。
どうしようもない場合、このように司法の力を借りましょう。
まとめ
高齢化社会がどんどん進み、空き家も増える傾向にあるこの社会では、このように樹木の侵入トラブルも増えていくでしょう。
樹木だけでなく、雑草まみれになってしまい虫が発生する問題も出てくる可能性もあります。
こういったことを防ぐためにも普段からしっかりとコミュニケーションをとっておくことが大切です。
お隣に人が住んでいない場合は、役所や司法を利用してしっかりと対処することをおすすめします。