浴室塗装の基礎知識を完全網羅!キレイなお風呂で快適バスタイム!
ユニットバスという言葉を聞いてイメージを浮かべてみてください。
大体の人が、トイレとお風呂がいっしょになったものを思い浮かべているのではないでしょうか。
この記事を進めていくにあたって、まずユニットバスを説明しておかなければと思います。
ユニットバスとは、工場であらかじめ成型される浴室のことです。
つまり、壁・天井・浴槽が一体化している浴室ということです。
では、そんなユニットバスが古くなってしまったとき、ほとんどの人が取り替えを考えるのではないでしょうか。
むしろ、取り替え以外の選択肢があるの?
という声も聞こえてきそうですが、その選択肢が浴室塗装です。
一般的にはあまり知られていないリフォーム方法なので、この記事で説明していきたいと思います。
ここで浴室塗装がどういうものかを知ることで、ユニットバスが劣化したときの選択肢として浴室塗装が候補に入ってくるかもしれませんので、ぜひ最後まで読んでみてください。
何事も選択肢が多い方がいいと思いますよ。
それでは、いきましょう。
見出し
浴室塗装とは
新品のユニットバスは白やアイボリーの色でピカピカに輝いているものです。
これらを素材そのものの色だと思っている人も多いかもしれませんが、これは塗装されているからです。
そのため、古くなったユニットバスは見た目もボロボロなのですが、塗装をすることで新品同様の状態に戻すことができます。
これを浴室塗装といいます。
このように修繕としての浴室塗装の他に、美しさを長く維持するための浴室塗装というものもあります。
浴室保護のための塗装で、新品のような状態に戻すというより、さまざまな汚れから浴槽や浴室を守ることが目的です。
どちらの浴室塗装も取り替えよりも圧倒的に低価格であるというメリットがあります。
そのため、浴室塗装は「予算があまりないけれど、きれいな状態に戻したい」というときに最適です。
浴室塗装と取り替えは施工期間も違う
価格は、浴室塗装が圧倒的に有利だと先述しましたが、施工期間はどうでしょうか。
お風呂の工事において施工期間が長くなると、その期間はお風呂が使えなくなりため、できるだけ短期間で終わらせてほしいと思いますよね。
早く工事が終わるという点では、浴室塗装と取り替えのどちらを選べばよいのか見てみましょう。
●浴室塗装:1.5~3日
●ユニットバス交換:3~5日
大体の予想がついていたかもしれませんが、基本的には取り替えの方が施工期間は長いです。
しかし、浴室塗装もユニットバスの状態によって施工期間が変わるときがあります。
下地処理をしっかりとおこなわなければいけない状態ならば、どうしても時間がかかってしまいます。
塗料が完全に乾燥するまでの時間も考えると2~3日は施工完了までにかかることもあります。
取り替えの方は、建物の状況で時間が変わります。
すぐに取り外せる構造になっていれば、そこまで時間がかかることはないのですが、柱や梁が入り組んでいる場合、工事が大掛かりになり1週間近くかかってしまうこともあります。
浴室塗装のメリットとデメリット
ここからは、浴室塗装のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
デメリットも把握しておかないと、施工してから後悔してしまうかもしれません。
浴室塗装のメリット
浴室塗装のメリットは大きく4つ。
●低予算で新品同様に戻せる
●お風呂が使えなくなる期間が短い
●ゴミが少なく環境に優しい
●色を変更することができる
浴室塗装の最大のメリットは、やはり低予算でキレイな状態に戻せるということです。
本当に目も当てられないくらいに汚れたユニットバスでも、浴室塗装で新品同様に戻すことが可能です。
しかも、2~3日の短期間お風呂が使えないという不便さを我慢するだけでいいのです。
既存のユニットバスをそのまま使用しますので、ユニットバスを破棄する必要がないため捨てる費用もかからず、ゴミも増えないので環境にも優しいです。
デザインを変えることができるのも浴室塗装のメリットのひとつです。
色を変えるだけでまったく違う印象になるでしょう。
色の選択肢が多いのもメリットです。
浴室塗装のデメリット
浴室塗装のデメリットは、3つあります。
●機能がよくなるわけではない
●損傷が激しい場合は塗装ができない
●浴室塗装ができる業者が少ない
浴室塗装をおこなうと、見た目は新品同様になりますが新しく機能が追加されるわけではありません。
最新のユニットバスのカタログを見てみると最新機能が満載です。
浴室塗装工事をすると最新機能も追加されると考えてしまう人もいますが、塗り替えるだけで機能が追加されることはありません。
次に、ユニットバスの損傷が激しすぎると浴室塗装はできないというデメリットです。
損傷が激しいのに無理に塗装をおこなったとしても、塗装がすぐに剥がれてきてしまいます。
ユニットバスのリフォームとして塗装はおすすめの方法ではあるのですが、どんな状態でも施工可能というものではないということを覚えておいてください。
浴室塗装は、まだまだ一般的なものではないため施工可能な業者が多くないこともデメリットです。
高い専門知識と技術が必要なリフォームなので、業者探しに苦労するかもしれません。
浴室塗装のタイミングとは
ユニットバスの損傷が激しすぎると塗装ができないと先述しました。
では、どのタイミングで浴室塗装をすればいいのでしょうか。
ここから、説明していきます。
●お風呂掃除では取り除けない汚れが増えた
●カビの発生が頻繁になってきた
●古い塗膜が浮いてきた
●定期的に塗り替える
基本的には、お風呂の汚れが目立ってきたら浴室塗装のタイミングです。
どんなに丁寧に頑張って掃除をしても、どうしても取れない汚れが増えてきたときや、カビが頻繁に発生するようになってきたら、浴室塗装を検討してもいいかもしれません。
既存の塗膜が浮き上がってきたときも、もちろん同様です。
これらのサインが出る前に定期的に浴室塗装をおこなうという選択肢もあります。
見た目にわからなくても劣化は始まっているため、定期的に塗装をおこなうことで浴室をいい状態で維持することができます。
浴室塗装ができない浴槽がある
素材により浴室塗装ができない浴槽があるので、紹介していきます。
それは、「ホーロー」と「タイル」と「ステンレス」です。
これらのいずれも、やってできないことはないのですが、技術的にとても高度になるため、業者によっては施工を断られる場合や、施工後の保証がつかないことがあります。
しかし、この3つの素材でユニットバスに使用されるのはホーローくらいです。
浴室塗装の業者を選ぶポイント
浴室塗装を成功させる最大のポイントといっても過言ではないのが、業者選びです。
浴室塗装の専門業者はとても少なく、その中で腕のいい業者となるとなかなか数が少なくなってしまいます。
だからといって、経験の少ない業者に任せられるような作業ではありません。
そのため、じっくりと腕のいい業者を見つけることが重要です。
浴室塗装の専門業者を見つける
いちばん大事なことが浴室塗装の専門業者であるということです。
塗装だけなら普通の塗装業者でも可能ですが、浴室への塗装となると知識や技術、経験が必要になってきます。
そのため、浴室塗装に特化した業者を選ぶようにしてください。
5年以上の経験がある業者である
浴室塗装が少しずつ一般化してきて需要も増えてきたので、専門業者も少しずつですが増えてきています。
しかし、正しい方法でしっかりと施工ができているのは一部の業者だけです。
新規参入するために立ち上げたばかりの業者は、低価格で工事を請け負い経験・実績を積もうとしますが、技術・知識ともに未熟なため、塗装がすぐに剥げてきてしまうなど問題が発生する可能性が高いです。
そのため、最低でも5年以上の経験を積んでいる業者を選ぶことをおすすめします。
浴槽や床面の補修もできる
ユニットバスに穴があいてしまっている場合、FRPライニングやガラスクロスライニングといった技術が必要になります。
これらの技術を持ち合わせていないと、浴槽などのクラックを補修することはできません。
必ず浴槽や浴室を自ら補修できる施工業者を選びましょう。
浴室塗装の施工に対して保証がある
技術力の高い施工業者の場合は、浴室塗装の施工に対して保証があります。
保証内容は業者によって異なるのですが、トラブルが発生した場合に、無償で補修をしてくれる業者を選びましょう。
業者に依頼する前に、保証の有無や内容をしっかりと確認するようにしてください。
浴室塗装を失敗しないためのポイント
ここまで浴室塗装がどのようなものか説明してきたのですが、いかがでしょうか。
ここからは、業者に依頼して浴室塗装をおこなうときの注意点について紹介します。
ユニットバスの寿命を超えたら取り替えよう
経年によって穴やクラックが発生した原因が、ユニットバスの寿命だった場合は、補修したとしてもすぐに再発する可能性が高いです。
そのため、あまりにも劣化が進んでしまっている場合は、浴室塗装で無理に延命をせずに、取り替えを検討してもいいと思います。
ホーローの浴槽は追い焚きができなくなるかもしれない
ホーローという素材の浴槽は塗装が可能だと先述しましたが、追い焚きや水をためておくことができなくなる可能性があります。
腕のいい専門業者であれば、ホーローへの塗装も可能なのですが、ほとんどが「追い焚きには対応していません」としています。
そのため、高価ですが追い焚き対応できる業者を選択するか、取り替えの検討をおすすめします。
賃貸物件の場合、勝手に浴室塗装ができない
賃貸物件にお住まいの場合は、浴室塗装を居住者に意思でおこなうことができません。
賃貸物件はオーナーが所有者なので、勝手に塗装をすることはやめておきましょう。
浴室の劣化が激しくてどうしても浴室塗装をしたいのであれば、まずはオーナーに相談してみましょう。
場合によっては、浴室塗装費用を負担してくれる可能性があります。
逆に勝手に工事をしてしまうと、退去時などにトラブルの原因になってしまうかもしれません。
塗料が入浴剤で変色することがある
浴室塗装をしても入浴剤や水道水の塩素で塗装面が変色してしまう可能性があります。
原因としては塗料との相性の問題もあるのですが、そもそもユニットバスに入浴剤を使用することがあまり適していないのです。
塗装前から入浴剤を習慣的に使用するのならば、塗装をおこなった後にコーティングもおこなってもらうよう相談してください。
まとめ
浴室塗装、あまり聞きなれない言葉だったと思いますが、ここまで説明してきていかがでしょうか。
劣化してきたユニットバスは、取り替えしか方法がないと思っていた人には、驚きだったと思います。
取り替えよりも低価格で新品同様に戻すことができるので、予算が不安な人には最適なリフォームだと思います。
もちろん先述したようにデメリットもありますので、自らの状況に適した方法を選ぶようにしてください。
浴室塗装を選択する際は、専門の技術の高い業者を探して依頼するようにしてくださいね。