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最近はやりのハイブリッド塗料とは?


この記事の監修者

佐伯 明彦 (株式会社ソラ SOLA)

所有資格外壁診断士

外壁施工において構造性能や耐火耐久性能など外壁塗装をお考えの方に対して アドバイスをおこなっております。

「ハイブリッド塗料」というものを、外壁塗装の業者から勧められて初めて知った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ハイブリッド塗料とは、主に「無機成分と有機成分を組み合わせて作られた塗料」のことを指します。

無機と有機の長所を併せ持った、新しい技術の塗料で、これまで最高級とされていたフッ素樹脂塗料よりもさらに上の耐久性を誇ると言われ、業界でも注目されています。

しかし、具体的な特徴やほかの塗料との違いまでは、業者が詳しく説明してくれないことも多く、それでは大事な塗料選びに不安が残ってしまいます。

そこで今回は、ハイブリッド塗料について詳しくご紹介させていただこうと思います。ハイブリッド塗料は非常に優れた塗料ですが、当然注意点もあります。
きちんと全体の情報を知ったうえで、ご自宅の塗装に使うかどうかご判断ください。

1.ハイブリッド塗料の特徴

ハイブリッド塗料とは、主に有機塗料と無機塗料の二つの特性を兼ね備えた高性能な塗料です。

耐久性が高いけれどもひび割れやすい「無機物」と、柔軟性があるけれども劣化しやすい「有機物」の成分を、うまく組み合わせて弱点を補い合うことで、より優れた性能を発揮します。

近年は塗料メーカー各社がハイブリッド塗料を開発・販売しており、業界でも非常に注目されている技術です。

例えば、無機物とは、ガラスや石など紫外線を浴びても劣化しないものをいいます。
しかしガラスが強い衝撃で割れてしまうように、柔軟性がないので、無機成分100%では塗料になりません。

一方有機物とは、皮膚や髪の毛、植物、でんぷんなど、柔軟性があるものです。
塗料でよく聞くフッ素樹脂やシリコン樹脂などの「樹脂」も有機物です。
これらは紫外線を受けると劣化してしまうのが弱点です。

この二つを組み合わせることで、塗装に適した柔軟性と高い耐久性をもたせたのが、ハイブリッド塗料です。

どんな成分同士を組み合わせるのか、どうやって組み合わせるのか、などは製品やメーカーによって異なります。
そのため、一言に「ハイブリッド塗料」と言っても、様々な種類や性能の塗料があるのも特徴のひとつです。

2.ハイブリッド塗料のメリット

無機成分と有機成分を配合して作るハイブリッド塗料は、様々な性質を持っています。

また製品やメーカーによって配合比率や成分の組み合わせ方法が異なるため、機能のバリエーションも豊富にあります。

ここからは、一般的に共通するハイブリッド塗料のメリットを解説していきます。
 ※ 全ての塗料に全く同じメリットがあるわけではないのでご注意ください。

有機塗料よりも耐用年数が長い

ハイブリッド塗料最大の特徴は、紫外線や熱に強く耐久性が高い点です。

ガラスや石が何十年も紫外線を浴びてもほとんど劣化しないように、無機成分を多く含むハイブリッド塗料は劣化しにくいからです。

一般的なシリコン樹脂塗料は10~15年、フッ素樹脂塗料は15~20年ほどの耐久性です。

それに対してハイブリッド塗料は、20年以上の耐久性を持つものが多くあります。

1回の塗装で長く持たせたい、高耐久な塗装を求める方にぜひおすすめです。

カビ・コケが繁殖しにくい

ハイブリッド塗料は、一般的な有機塗料と比べてカビ・コケ・藻が繁殖しにくい性質(防カビ・防藻性)を持っています。
なぜなら、カビ・コケなどの栄養分である有機物の含有量が一般的な有機塗料よりも少ないためです。

カビ・コケは建物の美観を損なうだけでなく、根を張ることで建材自体を傷めてしまいます。

ハイブリッド塗料を使うことによって、見た目を綺麗に保つこともでき、壁や屋根の素材そのものも保護することができます。

光沢が長続きする

ハイブリッド塗料は、粘性が調整され均一・平らになることで、美しいツヤが出て光沢が長持ちしやすくなることもメリットです。

さらにハイブリッド塗料は親水性がある製品が多く、汚れが落ちやすいことも光沢が長続きする理由の一つとして挙げられます。

「親水性がある」という表現は、「雨水が外壁表面を覆って汚れを浮かして洗い流すこと」と考えてください。
たとえ塗膜に汚れがついても雨が降れば洗い流してくれるため、表面に汚れがたまりにくくなるのです。

燃えにくい

ハイブリッド塗料は非常に火に強く、燃えにくいという利点があります。
そもそも無機物が燃えにくい(不燃性の)ものだからです。

100%無機ではなく、有機成分も含んでいるので、全く燃えないわけではないのですが、それでも有機塗料と比べれば十分燃えにくいといえます。

万が一近隣の火事などが飛び火してきても燃え移りにくいため、二次災害の確率を低くすることができます。

3.ハイブリッド塗料のデメリット

最新技術で高性能なハイブリッド塗料ですが、万能なわけではありません。
ここではハイブリッド塗料のデメリットをお伝えします。

高額な塗料が多い

ハイブリッド塗料は高品質であるぶん、種類によっては高額になることがデメリットです。
セラミックを配合した断熱塗料などは、とくに高額になりやすい傾向があります。

・塗料の単価相場(/㎡)
  アクリル:1,400~1,600円
  ウレタン:1,700~2,500円
  シリコン:2,300~3,500円
  フッ素 :3,500~4,800円
  ハイブリッド塗料:4,300~5,500円

ただしハイブリッド塗料は耐用年数が長いので、長期的な塗り替えコストまで考えるとコストパフォーマンスは悪くありません。
塗料を選ぶときには、長期的な視点で考えることも大切です。

完全な艶消しができない

一般的に塗料には艶があり、艶消し材などを入れることで艶を抑えてマットな仕上がりに調整することができます。

しかしハイブリッド塗料は、艶を消しにくいという性質があります。
そのため、完全な艶消し塗料はまだ販売されていません。

調整しても5分艶~3分艶ほどになりますので、仕上がりの艶感にこだわりのある方は注意が必要です。

施工経験の豊富な業者が少ない

ハイブリッド塗料に限ったことではありませんが、塗装工事は職人の知識・技術が重要です。
どんなに素晴らしい塗料でも、施工の質が悪ければその性能を発揮することができないからです。

特にハイブリッド塗料は新しい塗料であるため、まだ使った経験がない・知識がない業者も当然存在します。

さらに、元々が性能の良い塗料だからこそ、万が一工事品質が悪かった場合の落差というのも激しくなってしまいます。

ハイブリッド塗料での塗装をお考えの方は、きちんとその塗料の施工実績が豊富な業者に依頼するようにしましょう。

ハイブリッド塗料内でも耐用年数に幅がある

ハイブリッド塗料と一口で言っても、実は性能や耐久性にはやや幅があります。

なぜなら、“無機成分と有機成分の比率が何パーセントならハイブリッド塗料と言える”という定義は決まっていないからです。
例えば、普通の塗料にほんの少し無機成分を加えただけでも、ハイブリッド塗料と言えてしまいます。

また、どんな樹脂(有機成分)を組み合わせるかによっても性能は変わります。

例えばシリコン樹脂+無機成分の塗料で12~20年ほど、フッ素樹脂+無機成分となると15~25年ほどの耐久性のものが多く、この場合は3~5年も幅があります。

質のよいハイブリッド塗料を選ぶには、実績のある大手塗料メーカーの製品で、カタログなどにきちんと試験結果(促進耐候試験や屋外暴露試験という、紫外線に当てて劣化度合いを見る試験)が掲載されているか確認しましょう。

4.まとめ

ハイブリッド塗料とは、無機成分と有機成分を組み合わせて作られた高性能塗料のことです。

メリット
・高い耐久性
・カビ・コケが繁殖しにくい
・汚れにくく光沢が長持ちする
・燃えにくい

デメリット
・金額が高い
・完全な艶消しができない
・きちんと扱える業者を選ぶ必要がある
・ハイブリッド塗料内でも耐用年数に幅がある

ハイブリッド塗料の中にも様々な種類・性能の製品がありますので、信頼できるメーカーの製品を選ぶと安心です。

また、ハイブリッド塗料は歴史が浅いことから、塗装経験のある業者はあまり多くありません。
そのため効果を最大限に引き出すためには、ハイブリッド塗料の塗装経験が多い業者を選ぶことがなによりも大切です。

見積もりを依頼するときには、複数の業者に「相見積もり」を取り、適正料金を見極めるようにしましょう。

その際ハイブリッド塗料について、特性やメリット・デメリットを詳しく説明してくれる業者を選ぶと安心です。


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