景観条例ってどこまで外壁の色やデザインを規制しているの?
観光地など歴史的建造物が多いエリアでは、古き良き時代の景観を残すために全体的に街並みがモノトーンでおとなしく統一されていますよね。
わかりやすく代表的なところでいえば、京都がそうです。
京都の街を歩いていると、ロゴや看板、外観がカラフルなコンビニやファーストフード店がモノトーンであまり目立たない色調の見た目になっているのを多く見かけます。
観光地では、このように古くからの街並みを大切にして、イメージを崩さないように商業施設の外壁などに使用する色を制限する景観条例を制定している自治体があります。
そうなると、気になるのがそのエリアにマンションや一戸建てを建てるとなると、景観条例による制限が施行されるのかどうかです。
もしも制限されるとしたら、このようなエリアの建物の外壁リフォームは、どういった点に注意をしなければならないのでしょうか。
ということで、今回この記事では景観条例と外壁リフォームについて詳しく説明していきたいと思います。
参考になることが見つかると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
景観条例はどこまで定められているのか?
少し先述したように景観条例は、自治体などが定めた景観保全のためのルールです。
先ほどは京都を例に出しましたが、実は東京23区の中でも、かなり多くの区に景観条例が定められているのです。
例として世田谷区です。
世田谷区は、路面電車が走っており、車窓から見た景観が無機質なものにならないために、世田谷沿線の住宅の外壁は樹木の緑に調和するような自然素材や色調を選ぶというように定められています。
ただし、世田谷区のすべての住宅が景観条例の対象というわけではありません。
景観条例の対象になるのは、指定区域にある高い建物や広い建物に限ります。
制限の細かい部分は、当然それぞれの地域によって違いがありますが、目安としては高さが10m以上、延床面積が300㎡以上の建物は景観条例の対象に含まれることが多いといわれています。
つまり一般住宅でこの基準に当てはまるのは、かなりの豪邸といわれるほどの大規模な住宅になるので、一般的な規模の住宅はそこまで過敏に景観条例を気にしなくても大丈夫だといえます。
景観条例の対象に当てはまるのか気になる人は、各自治体のホームページからも調べられますので一度チェックしてみましょう。
景観条例に違反せずにイメージ通りの外壁リフォーム
もしも自分の家が景観条例の対象だった場合は、どうすればいいのでしょうか。
まずは、施工会社や設計士などの専門家に相談してみることから始めていきましょう。
専門家に自分が作りたい家のイメージを伝えることからスタートして、場合によって自治体の担当者と打ち合わせをして調整することもあります。
大体のイメージでシンプルな色ならば問題がないと思っていても、白すぎる・黒すぎるといったコントラストがハッキリしすぎるのは良くないという場合もあるのです。
基本的には、アースカラーと呼ばれるような自然と調和している色を選ぶと問題が少ないといわれています。
では、景観条例を守りながらイメージ通りの外壁リフォームをするにはどうすればいいのでしょうか。
それは、外壁の色だけではなく、取り付ける工業製品の色にも注意してみることです。
壁の色と比較すると、エアコンの室外機や雨樋、雨戸などの工業製品は黒・白・ゴールドなどでカラーバリエーションがかなり限られています。
そんな付帯部や工業製品の色と外壁の色のバランスが悪いと、とてもごちゃごちゃした見た目になってしまいがちです。
そのため、まずは必要な機能を工業製品の色と合わせて外壁の色を考えることがポイントになります。
工業製品と外壁の色があまりにも馴染まない場合は、外から見えにくい場所に設置するという工夫をしてみるのもひとつの手段です。
実際に環境の中で色を見て、現実的なイメージを掴もう
外壁リフォームの際、色やデザインなどがおおまかにでも決まったら、A4サイズくらいの大きさのサンプル素材で、実際の環境ではどのように感じるかを確認することをおすすめします。
既存の外壁から塗り替えをしたらどのような感じになりそうか、サンプルを壁一面に貼ったらどんな仕上がりになりそうか、とイメージを膨らませることでわかることがあると思います。
まとめ
ここまで外壁リフォームと景観条例について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
これから家を建てようと検討している人は、住むエリアの自治体がどのような景観条例を施行しているかを確認することからはじめてみてください。
そして、依頼する業者に自分が作りたいイメージをしっかりと伝えましょう。
そのイメージが景観条例の対象になるかどうかをきちんと把握してから、イメージ通りの理想の家を建ててくださいね。
景観条例を守りながらも、あなたが素敵で快適な暮らしができるマイホームを手にすることを心から願っております。