所有物件の屋根がシート防水ならば知っておくべきこと。
ビルの屋上部分のほとんどは、樹脂やゴム製のシートを貼り付けて雨水を防いでいます。
この防水工事をシート防水といいます。
シート防水は経年により劣化が進み、放置しておくといつか破損します。
では補修はどのように行えばいいのでしょうか。
この記事では、シート防水の補修方法について解説していきたいと思います。
物件にシート防水をしている方は、参考になることが見つかると思います。最後までご覧ください。
見出し
防水シートの素材は主に2つ
シート防水に使われる防水シート防水は主に2種類に分かれ、それぞれに特徴があります。
塩化ビニール
塩化ビニールの防水シートは、屋上防水でよく使われます。
シートを接着剤で屋根に貼り付けていくのですが、柔らかくて加工がしやすいため、複雑な形状にも対応できます。
貼り付けるだけで施工が終わるので、施工後すぐに人が歩いても問題ありません。
耐用年数は約15年です。
ゴム
ゴムの防水シートは塩化ビニールシートと同様、接着剤で施工することができ、温度変化による体積変化が少ないため、施工箇所の構造による制限が少ないメリットがあります。
しかし、塩化ビニールシートと比べて破損しやすいというデメリットがあります。
耐用年数は、約12年です。
シート防水の補修のタイミング
シート防水の補修時期を判断するには、シートの状態を直接確認する方法と、シートの耐用年数で判断する方法とがあります。
補修のサイン
屋根の防水シートが浮いたり、破れているのを発見したら、防水シート補修のサインです。
雨漏りやひび割れ、雑草が生えているのも同様ですので、業者に補修を依頼することをおすすめします。
シートの耐用年数
防水シートは素材によって耐用年数がことなり、塩化ビニールは15年、ゴムは12年と言われています。これらの耐用年数を目安に補修を検討することをおすすめします。
屋根のシート防水が破損した場合の補修方法
屋根のシート防水は破損の範囲や状態によって方法が異なります。
部分補修
防水層の破損が部分的なら、補修も部分的で済みます。破損している部分を切り抜いて下地を作り直し、シートを貼り付けて補修をします。
ただし、シート防水は何層かシートを重ねて耐水層を作るので、カットで切り抜いて新しいシートを貼り付けるだけでは、十分な防水効果を発揮できません。
そのため、部分補修をする場合は下地処理のあとウレタン防水塗料で隙間を埋めて水の侵入を防ぎ、その上からウレタン防水層を守るためのコーティングをする場合があります。
部分補修は費用を抑えながら防水性能を回復させることができますが、隙間から水漏れが起こる可能性があり、既存部分の耐用年数によっては全面リフォームをした方がよい場合もあります。
全面補修
文字通り、シートをすべて貼りかえる方法です。
既存のシートをすべて取り除いて、新しいシートを設置します。
屋根全体の防水層を新しくするため長持ちしますが、当然施工範囲が広くなるため費用が高くなってしまうデメリットもあります。
屋根のシート防水補修工事それぞれの工法
シート防水は、シートの素材によって工法が異なります。
塩化ビニールの防水シートを使った工法
塩化ビニールの防水シートを使う場合は、機械的固定工法または接着工法のいずれかで工事します。
機械的固定工法は、固定ディスクで防水シートを固定する工法です。
密着工法は、接着剤で防水シートを固定する工法になります。
機械的固定工法は、下地の状態に左右されにくいのに対して、密着工法は下地がしっかりと乾燥しているかなど状態に左右されます。
ゴムの防水シートを使った工法
ゴムの防水シートを使う場合は、密着工法、断熱工法、ペーパーフリー工法のいずれかで工事します。
密着工法は、接着剤により完全に密着させる工法で、工事期間が短くて済みます。
断熱工法は、防水シートの下に断熱材を設置する工法で、屋根の上面または室内側に設置します。
ペーパーフリー工法は、ゴム製シートと通気性シートを重ね合わせたシートを用いて、下地の湿気を拡散しシートが膨らまないようにする工法です。
既存の防水シートを撤去して新しく施工する場合と、既存のシートの上から施工する場合があります。
まとめ
ここまでシート防水の補修方法などをまとめさせていただきました。
少しでも参考になることが見つかったのなら幸いです。
シート防水は防水シートの経年劣化により、定期的なメンテナンスが必要です。耐用年数や症状をチェックし、適切にメンテナンスするようにしてくださいね