塗装面積で特に重要なのは平面図と立面図
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外壁塗装における図面の必要性とは
外壁塗装を検討する際に、「必要な図面がわからない」、「家の図面が手元にない」など、家の図面に関して悩まれたことはあるでしょうか。外壁塗装の見積もりや現地調査は、何も用意していなくても依頼することはできますが、図面があるとより正確でスピーディーに見積もりを行うことができます。
今回は、外壁塗装で図面が役立つ理由や、図面がない場合の対処方法や注意点などについてお伝えします。
1.外壁塗装で図面が役立つ理由
外壁塗装で図面が役立つ理由は、建物の正確な面積を確実に確認できることです。図面がある場合の現地調査は、短時間で済み、見積もり作業も正確でスピーディーに進めることができます。正確な面積が算出できることで、塗料など、使用材料の無駄を減らすことができるため、工事費用を抑える効果もあります。
図面がなくても外壁塗装の面積は出すことができますが、その場合、現地で外壁の面積を計測する必要があります。図面がない場合の現地調査作業を正確に行うためには、2~3人の人員が必要になり、時間も掛かり、現場で計算しながら記録して行くため、大変な作業になります。正確な面積が現場で出せない場合、係数を使っての大まかな塗装面積が使われることもあり、材料も余分に発注されるため、塗装費用も余分に計上されることもあります。
住宅の図面の種類
ひとくちに図面といっても、いくつかの種類があります。住宅の図面は、一般的に意匠図・構造図・設備図に分けられます。
・意匠図
建物の形状や情報を表した図面です。配置図・平面図・立面図・屋根伏せ図・断面図・展開図などがあります。
・構造図
建物の強度や構造に関する情報を表した図面です。基礎伏せ図・軸組図などがあります。
・設備図
建物の電気・ガス・水道・空調などの仕様や位置などを表した図面です。電気設備図・ガス設備図・給排水設備図・空調図などがあります。
一般的に役立つのは立面図・平面図・屋根伏せ図
上記の図面のうち、外壁塗装では一般的平面図、立面図、それに屋根伏せ図が役立ちます。ただし、屋根伏せ図はなくても問題ないことが多いです。
・平面図
各階の間取りを表します。
床から約1mの高さを水平に切り取り、上から見た図面で、部屋の寸法や、広さ、外回りの長さ、窓の位置などがわかります
・立面図
建物の外観を4面から表したもので、姿図ともいいます。
建物の外観のデザインや、高さ、屋根勾配、窓の位置などがわかります。
・屋根伏せ図
建物を真上から見下ろし、屋根がどのような形状で葺かれているか表した図面で、屋根塗装を行う際に役立ちます。
屋根伏せ図については、存在しない場合もあるため、なくても問題はありません。
図面の渡し方
図面は、スキャンしてメールで送るか、FAXで送るか、コピーして現地調査の際に手渡しする方法が一般的です。原紙を渡して、塗装会社にコピーをとってもらう方法もありますが、汚れや紛失のリスクがありますので、コピーしてから渡した方が安心です。ただし、原紙がA2版などの大きいサイズの場合はコピーが大変ですので、無理をする必要はありません。コピーは縮尺が正確にわかるサイズで、1部あれば大丈夫です。縮小したり拡大したりすると、縮尺が狂い、図面から塗装面積を計測するのに手間と時間がかかる恐れがあります。そのため、できるだけオリジナルと同じ大きさが望ましいです。
2.図面がないときの対処法
新築から何年も経っていて図面を紛失した方や、最初から図面を受け取っておらず、手元に図面がない方もいらっしゃると思います。ここでは、塗装を依頼しようと思った際に、図面が手元にないときの3つの対処方法についてお伝えします。
図面を取り寄せる
図面があった方が、住まいのメンテナンスに役立ちます。可能であれば住宅の設計や施工を行った工務店やハウスメーカーや設計事務所に問い合わせを行い、取り寄せましょう。
一般的に、過去に手がけた住宅の図面は全て建設会社が保管しています。ほとんどの場合、取り寄せに費用などは発生しませんが、あらかじめ「費用がかかるのか」「取り寄せまでにかかる日数」を確認してから依頼すると安心です。
家を建てた会社が図面のデジタル管理をしておらず、築年数が経っている住宅の場合、探すのに時間がかかる場合もありますので、なるべく早めに依頼しましょう。
新築時の建設会社が倒産してしまい、図面が手に入らないケースもあります。その際は無理をせず、現地調査で計測してもらいましょう。
図面がない旨を伝える
業者に現地調査を依頼する際、図面が手元にない旨を伝えましょう。図面が無いと見積もりができないか、図面が無くても見積もりを行うかは業者によって判断が異なります。
図面の取り寄せを依頼された場合、取り寄せた上で現地調査を依頼しましょう。
現地調査で測ってもらう
図面が手元にない場合、現地調査で業者が実測し、塗装面積を計算することもできます。図面がある場合は、見積もりを出すのに、1~2人の現地調査を1時間程度行えば十分です。
図面がない場合の計測は、1人でもできますが、計測係と記録係で2~3人の人員がいた方がスムーズで正確にできます。ただし、2~3人いても1時間以上必要になり、図面がある場合の倍以上の手間がかかります。
図面がない場合は、人員と時間の確保が必要になるため、現地調査前に必ずその旨を伝えおきましょう。
3.計算式で塗装面積を求めることができる?
図面がない場合の対処法の1つとして、係数を使って、延べ床面積や建坪から塗装面積を算出する方法もあります。延床面積とは、1階~最上階まで、すべての階の床面積を合わせた面積のことです。延床面積を3.312で割って算出されるのが建坪です。
これらの計算式を「100パーセント間違っている」とはいいませんが、上記のような計算式はあまり推奨しません。外壁や屋根の面積は、住宅の構造や高さなど、さまざまな要因で変わってきます。延床面積や1階の床面積から計算で出せるのは、あくまで概算に過ぎないのです。正確な面積を把握するには、図面を見るのが確実です。
「概算でも良いので、どうしても手っ取り早く費用の目安が欲しい!」という場合のみ利用することをお勧めします。
4.外壁塗装の見積書では塗装面積をチェック
図面は、業者から見積もりを提出された際の信頼性チェックにも役立ちます。図面から、見積書に記載された塗装面積が正しいかどうか確認できますので、万が一に面積の水増しや間違いがあった場合に気付くことができます。
また、図面があることで、面積がわかりやすくなるので、業者が不正を起こしにくい環境を作ることにもつながります。見積書の提出をしてもらう際は、図面からどの部分の塗装を行うのかや、算出根拠から面積や数量の求め方などを説明してもらうと安心です。
塗装面積だけでなく、使用する塗料のメーカーや製品名、塗料の塗り回数なども必ずチェックすることが大切です。
まとめ
外壁塗装は、図面がなくても行うことはできますが、図面があるほうが、より正確でスムーズに調査から見積もり、工事まで進めることができます。また、見積もり内容の信頼性確認や、ほかのリフォームの際にも役立ちます。
もし外壁塗装を検討しているけれど、現時点で手元に図面がない、という方は、ぜひ一度取り寄せを検討してみてください。