プロ直伝!失敗しない塗料の正しい塗り方を知ろう
「外壁塗装を自分の手でしてみたいけど、塗り方がわからない」
「どういったものを揃えればいいのかもわからない」
こういった話を耳にすることがあるのですが、外壁塗装は非常に難しい工事です。
ペンキを塗るだけの簡単な作業だと思っている人も多くいらっしゃいます。
正直なところ、外壁塗装をDIYでおこなうことをおすすめはしません。
実績と信頼のある業者に依頼をすることがベストだと思います。
なぜなら、外壁塗装は正しく行わなければ塗料の効果を最大限に発揮することができず、最悪の場合は失敗に終わってしまうおそれがあるからです。
しかし、どうしても自分の手で塗装をしてみたいという人のために、この記事では外壁塗装の正しい塗り方、使用する道具、DIYでおこなう場合の注意点などを紹介していきます。
興味のある人は、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは、いきましょう。
見出し
正しい外壁塗装の塗り方
正しい塗り方とは
建物が劣化していく一番の要因はなんだと思いますか?
それは、塗膜の防水性が低下することだといわれています。
塗膜の防水性が失われてしまうと、外壁材に直接雨水や紫外線が当たり、外壁材や建物の構造体の劣化や雨漏りにつながってしまいます。
さらに、そのまま放置をしておくと外壁塗装だけにとどまらず最悪の場合、建て替えをしないといけない状態にまで悪化してしまうおそれがあります。
そのために、定期的なメンテナンスとして塗装が重要になってくるのです。
外壁塗装の手順は大きく7つの工程に分けられます。
ここからはそれをいっしょに見ていきましょう。
外壁塗装の手順
➀足場組立:足場を組み立てて、洗浄水の飛び散りを防止するシートをかけて養生します。
②洗浄:建材と密着度を上げるために、外壁に付着している汚れやホコリを落とします。
③下地補修:外壁のひび割れや劣化したシーリングなどの下地補修をおこないます。
④養生:窓や植木、地面の床など、塗料が付着してはいけない場所をビニールやテープで覆います。
⑤塗装(下塗り):下塗りは、外壁の仕上がりの色になる上塗り材と外壁との密着度を高める接着剤のような働きをします。
⑥塗装(中塗り・上塗り):実際の外壁の色となる塗料を塗ります。塗料の性能を最大限発揮してもらうために、定められた塗布量と乾燥時間を厳守しながら塗り重ねます。
⑦足場解体:作業するために組み立てた足場を解体します。
塗料の塗り方
外壁塗装の塗料の塗り方には、大きく2つの方法があります。
それは「ローラー工法」と「吹き付け工法」です。
●ローラー工法
原液に近い状態で手塗りをするため、騒音といった問題が発生しにくいといわれています。
手間がかかるのですが、そのぶん分厚い塗膜にすることができるので、もうひとつの吹き付け工法よりも耐久性が高くなります。
しかし、塗膜が分厚いため、乾燥時間がかかります。
あと吹き付け塗装のように仕上げが豊富ではありません。
●吹き付け工法
スプレーガンなどの機械を使用して、外壁に塗料を吹き付けて塗る方法です。
手塗りと比べて一気に塗装することができるので早く楽に塗れるのですが、大きな音がでます。
手塗りは、どうしても塗った感じが出てしまうものですが、吹き付け工法は均一に塗料をのせることができるのでキレイに仕上がります。
しかし、手塗りに比べて塗布量が少なくなる傾向にあるため、塗料本体の性能を発揮できるように丁寧に塗装をすることがポイントといわれています。
また、塗料が手塗りに比べると飛散しがちなので、近隣の建物や車などに塗料が付着してしまわないように配慮しなければなりません。
塗料を塗る際の基準
塗装をする際は、各メーカーより定められている正しい塗布量、乾燥時間を厳守することが重要です。
下塗り、中塗り、上塗りと工程を重ねていく際に、大切になるのが乾燥時間です。
基本的に下塗り、中塗り、上塗りの乾燥時間に作業時間を考えるとそれぞれ最低でも1日はかかるといわれています。
一般的に、気温が低いと乾燥しにくく、高いと乾燥しやすくなります。
塗料によって乾燥時間は異なることがあるのですが、どれも乾燥時間をしっかりと守らないと塗膜の剥がれの原因になってしまいます。
正しく塗装をしなかった場合に発生するトラブル4選と原因
➀塗装面での仕上がりの差
原因:仕上げの際のローラーの方向が違うこと、塗装する対象物に付着する塗料の量が違うことによりおこります。
②塗膜の白濁
原因:塗膜が乾燥しきる前に雨や結露などの水分による影響を受けてしまうと、その水分を吸収して塗料の状態に戻る再乳化という現象が起こることで白濁になります。冬場に起こりやすいトラブルです。
③塗膜剥離
原因:上塗り材に合った下塗り材を使用しなかった場合や下塗り材の塗布量不足、下地処理を怠ったことによる密着不良によって塗膜が剥がれます。
④塗膜の膨れ
原因:外壁内部に水が浸入して、それが蒸発するときに内部で膨らみを作ってしまうことによって起こるトラブルです。下塗り材の塗布量不足などによっても起こります。
外壁塗装で使う道具の特徴と使用方法
刷毛
塗装道具には、さまざまなものがありますが、多くの人がすぐに思い浮かぶものが刷毛ではないでしょうか。
刷毛にも多くの種類があり、塗装場所によって使い分けたりします。
一般的に知られているものが、柄が途中で折れ曲がっている筋交い刷毛と柄がまっすぐな平刷毛の2種類で、筋交い刷毛が細かい場所を塗ることに長けており、平刷毛は広い範囲を塗ることに長けています。
ローラー
広い塗装面をすばやく塗り進めることができるローラー。
塗装の際は、塗装面にムラが出ないように塗料を配っておき、塗料を上下に塗り広げていきます。
このような塗り方には理由があって、縦に塗り進めてしまうと塗るたびに塗膜が薄くなり、均一に仕上がらないことが多いからです。
ローラーにもたくさんの種類があるのですが、基本的に塗装の際はゆっくりと動かして塗るようにしてください。
勢いよく塗ると塗料が飛び散る可能性があるので、注意しましょう。
スプレーガン
スプレーガンは、空気を圧縮して塗料を噴出するエアスプレーと空気ではなく塗料そのものを圧縮して噴出するエアレススプレーの2種類あります。
エアスプレーは多くの塗料を噴出して飛び散ってしまうため、無駄が多くなる塗装方法でもあります。
エアレススプレーは、空気を使わず塗料にそのまま圧力をかけるので、一度に多くの塗料を噴出することが可能で、飛び散りも少ないため無駄の少ない塗装方法といえます。
DIYで外壁塗装
DIYでの4つの注意点
➀塗料は上部から塗っていく
基本的に塗料は、上の方から塗ることが基本になります。
塗装をする前に、塗る順番をシミュレーションしておきましょう。
②均一に塗る
下塗り、中塗り、上塗りと3回の工程をおこない均一に塗りましょう。
均一で厚い塗膜を形成することで耐久力の高い塗膜になります。
③一気に塗らない
多くの面がある柱などを塗装する際、一気にすべての面を塗装してしまうのではなく、何面かだけを塗り、完全に乾燥してから残りの面を塗るようにするとキレイに仕上がります。
④塗り残しがある場合は完全乾燥してから補修
塗り残しがあった場合は、塗料が完全に乾燥してから小さな刷毛などで補修するようにするとキレイに仕上げることができます。
まとめ
もしもDIYで外壁塗装をするのならば、各メーカーによって定められた塗布量と乾燥時間を厳守するようにしましょう。
あと換気にも注意して安全管理をしっかりとおこなうようにしてくださいね。
基本的に、外壁塗装は業者に依頼することをおすすめしますので、どうしてもDIYでということでないのなら、信頼と実績のある業者を探し依頼するようにしましょう。