どうして外壁にツタ?メリット・デメリット・撤去方法を知ろう!
外壁にツタが生えてる家に、どんな印象を持ちますでしょうか?
おしゃれで魅力的と感じる方も多いと思いますが、成長しすぎてお手入れに悩む方もいらっしゃいます。
今回は、そんなツタを生やすことであなたの家に得られるメリット・デメリットや、その撤去方法などについて紹介していきたいと思います。
これからツタを生やしたいと思っている方、撤去したいと考えている方、その両方に役立つ情報になると思いますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
どうして外壁にツタを生やすのか?
外壁にツタを生やすといくつかメリットがあります。いくつかをご紹介しましょう。
メリット➀ 断熱効果
外壁のツタは、緑のカーテン(グリーンカーテン)と呼ばれており、夏は太陽の熱を防ぎ、室温を下げる効果があります。
最近の日本は、年々猛暑日が増えており、40℃を超える気温を記録する地域も徐々に増えてきています。
そんなひどい夏の暑さを少しでもやわらげるために、外壁にツタを生やすのは効果的です。
また、冬場は室内の暖かさを外へ逃がさない役割も果たしてくれます。
結果的に、冷暖房の節約につながります。
ツタは快適な暮らしを送るための力強い味方なのです。
メリット② 家がおしゃれになる
外壁にツタが生えていると、ご近所さんと違った見た目になり、目立つ存在になります。
家のデザインは、それぞれの個性が表れていることが多いですが、外壁に緑を加えることで塗装では表現できない自然豊かな唯一無二の雰囲気を演出することができます。
メリット③ 助成金がでる場合がある
実は、外壁にツタを生やすと、助成金がでる場合があります。
緑の少ない都市部の気温が高くなる「ヒートアイランド現象」を緩和する目的で、自治体によっては壁面緑化に関する助成金制度を設けています。
あなたが家の外壁にツタを生やそうと考えている場合は、お住まいの地域に助成金制度があるか確認してみることをおすすめします。
ツタを生やすデメリット
何かを検討する際には、メリットばかりでなくデメリットも知る必要があります。
ここからは外壁にツタを生やすことで生まれるデメリットを紹介しますので、参考にしてください。
デメリット➀ メンテナンスが手間
ツタはかなり繁殖力の強い植物で、生やしてから何もせずに放置してしまうと、瞬く間に成長します。
外壁の高いところまでツタが伸びてしまうと、メンテナンスの際に高所での作業が必要となり危険です。そのため、窓を覆ってしまわないくらいの長さや向きに調整するなど、さまざまなお手入れが必要になります。
成長しすぎたツタは、本来なら侵入してほしくないところまで伸びてしまったり、枯れて見栄えが悪くなってしまうこともあります。
ツタの種類によって成長度合いが異なるため、専門的な知識や技術を持っていないと、調整やお手入れが難しく、美観を損なう結果になってしまうかもしれません。
デメリット② 枯れ葉によって排水溝が詰まる
ベランダまでツタを伸ばしている場合、枯れ葉が落ちてベランダの排水溝を詰まらせるおそれがあります。
排水溝が詰まると最悪の場合、雨漏りを発生させてしまうので、注意する必要があります。
デメリット③ ツタがコーキングに食い込む
現在、多くの家の外壁に採用されているサイディング。
板状の外壁材を貼り付けていくため、板と板の間はコーキングというゴム状の素材を充填して、雨水の浸入を防ぎます。
このコーキングは弾力のある柔らかい素材なので、ツタの種類や生え方によってはコーキングに食い込んでしまうこともあるのです。
食い込んだツタがコーキングを切り裂いてしまい、雨漏りや外壁のひび割れを引き起こす可能性があります。
デメリット④ 給湯器や室外機などが壊れる
外壁のツタを放置しすぎると、外壁周辺に設置してある室外機や配管、給湯器などの隙間に入り込み、正常に作動しなくなってしまう可能性があります。
デメリット⑤ 虫が寄ってくる
当然ですが、ツタは植物なので虫が寄り付くことがあります。
寄り付く虫が美しいものだけとは限りません。
ゴキブリやスズメバチといった害虫が住みついてしまうと非常に厄介で、駆除するために費用が必要になることもあります。
そして、余計な費用がかかるだけでなく、害虫駆除の薬剤によってツタが枯れてしまう可能性もあるのです。
デメリット⑥ ツタの跡が残る
ツタは、気根(きこん)と呼ばれる根を伸ばして外壁に強く密着するため、剥がしたときに跡が残りやすいのです。
キレイに除去するためには、手だけでは不十分なので、除草剤、カッター、ヘラなどで剥がし、バーナーであぶるなど、非常に手間がかかる作業になります。
跡が残ってしまうと見た目が悪くなるため、外壁塗装が必要なる場合もあります。
おもなツタの種類
家の外壁にツタを生やすのに適している3種類のツタを紹介します。
ヘデラ(アイビー)
ヘデラは、1年を通して葉を茂らせる「常緑樹」の一種です。
種類によっては成長が早く、「直接登はん型」という手法で壁面緑化に使用されます。
直接登はん型とは、植物が壁を登る力を利用する方法で、外壁のそばに植えると勝手に成長していくため、特別なお手入れが必要ないといわれています
また、ヘデラは日陰で育つ「陰樹」の一種でもあるので、日当たりのよい場所には、あまり適していません。
そのため、育てたい外壁の方角に注意しなければなりません。
ナツヅタ
ナツヅタは壁面緑化に使う一般的なツタのひとつで、ヘデラと同様、直接登はん型の手法で生やすことができます。
ナツヅタは、おもな幹が上に向かって成長し、そこから分かれるように細い枝が横に伸びる特徴があります
太くなった幹から気根が生まれて、外壁と密着します。
また、木材やガラスでも問題なくツタを伸ばせるメリットがあります。
デメリットとしては、「落葉樹」の一種なので、枯れ葉が落ちて排水溝が詰まる場合があります。
キヅタ(フユヅタ)
キヅタは、1年を通して葉をつける常緑樹であり、冬にも葉が見られることからフユヅタとも呼ばれています。
乾燥に強く、成長はヘデラよりも遅いです。
壁面緑化に使われることもありますが、ヘデラやナツヅタよりも、利用されることは少ないです。
外壁のツタの撤去の費用相場は?
ここからは、外壁のツタを撤去するためには、どれくらいの費用が必要なのかを見ていきましょう。
理想よりも成長してしまった、飽きてしまった、見栄えが悪くなってしまったなど、さまざまな理由でツタを撤去する場合があります。
専門業者さんに外壁のツタを撤去してもらうときの費用相場は、一般的な2階建ての戸建て住宅で約5~20万円ほどといわれています。
ツタがどの程度生えているかにもよって価格は異なるので、撤去を考えているのならば業者さんに1度見てもらうことをおすすめします。
ツタは成長力が凄まじいため、少しでも残っているとすぐに根を伸ばしてしまいます。
そうならないために、完全にツタを撤去してくれる優秀な業者さんに依頼するようにしましょう。
候補の業者さんから相見積りをとり、それぞれとしっかりと話をして信頼のできる業者さんを選ぶようにしてください。
ツタで外壁が傷んでおり、塗装や補修をしなければならない場合は、外壁塗装業者さんに撤去を依頼するのも1つの方法です。
ツタの跡をキレイにするには
手作業やバーナー、カッターなどを駆使してツタを除去したとしても、外壁にツタの跡が残ってしまうことがあります。
むしろ、ほとんどの場合にツタの跡が残ります。
そうなると家の美観が損なわれてしまうので、キレイにしておきたいですよね。
ということで、ここからは外壁に残ったツタの跡をキレイにする方法を紹介していきます。
高圧洗浄
ツタの跡などの汚れを高圧洗浄機で洗い流していきます。
注意してほしい点として、あくまでもツタを完全に撤去してから洗浄としておこなうようにしてください。
外壁塗装
外壁に残るツタの跡を高圧洗浄で取り除いたあと、外壁が傷ついていることがあります。
外壁は、家を守るために塗装が施されており、塗料でできた薄い塗膜により保護されています。
ですが、ツタがその塗膜に食い込んでいて、撤去の際に塗装ごと剥がしてしまう場合があるのです。
塗装が剥がれたままでは、家を保護する力が低下し、汚れやカビ、苔、雨漏りの原因になってしまいます。
そこで、家をしっかりと保護するためにも外壁塗装をおこなうようにしましょう。
まとめ
外壁のツタについて説明させていただきました。
メリットからデメリット、撤去方法など、お役に立つことは見つかりましたでしょうか。
この記事が、少しでもあなたの暮らしの快適さにつながるのなら幸いです。